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SMALL RESIDENTIAL LAND

※画像はイメージです

SMALL RESIDENTIAL LAND

小規模宅地等の特例 — 居住用と事業用、どちらを選ぶか

被相続人が居住用宅地と事業用宅地を複数所有していた場合、小規模宅地等の特例を どの宅地に適用するか で納税額が大きく変わります。租税特別措置法第69条の4に基づくこの特例は、相続税の課税価格を 最大80%減額 できる強力な制度です。

本ページでは、当事務所が実際に八尾税務署提出の書面添付(税理士法第33条の2書面)に記載した実例をもとに、選択判断のロジック・要件・当事務所の判断手順を解説します。

WHY MATTER

小規模宅地等の特例で「選択」が重要な理由

最大80%評価減の効果が大きい

租税特別措置法第69条の4に基づく小規模宅地等の特例は、被相続人が居住・事業に使っていた宅地について相続税の課税価格を最大80%減額できる強力な制度です。選択によって数千万円単位で納税額が変動します。

「選択」の余地が大きい

被相続人が複数の宅地を所有していた場合、どの宅地に特例を適用するかは納税者の選択に委ねられています(措置法69条の4第1項)。試算を尽くさなければ、本来受けられたはずの減額を取り損ねます。

要件適合性の見極めが必須

同居要件・取得者要件・事業継続要件・保有継続要件・3年内取得除外規定など、要件は細かく定められています。当事務所では33条書面に選択理由を明記し、税務署と論点を共有したうえで申告します。

CONTENTS

特例の仕組みと選択ロジックの実例

区分の整理から要件適合性の確認、八尾税務署提出案件の実例まで、当事務所が33条書面に記載している内容を体系的に解説します。

01

小規模宅地等の特例の3区分

小規模宅地等の特例は主に3区分に分かれ、それぞれ上限面積と減額割合が定められています。

  • 特定居住用宅地等 — 上限330㎡・80%減額
  • 特定事業用宅地等 — 上限400㎡・80%減額
  • 貸付事業用宅地等 — 上限200㎡・50%減額
  • 特定居住用と特定事業用は併用すると合計730㎡まで80%減額が可能
  • 貸付事業用宅地等を併用する場合は限度面積の調整計算(措置法69条の4第2項)が必要
02

なぜ「選択」が必要なのか

被相続人が複数の宅地を持っていた場合、上限面積に収まらないケースが多発します。選択は税額に直結します。

  • 居住用宅地(330㎡、路線価30万円/㎡)→ 減額可能額 7,920万円
  • 貸付事業用宅地(200㎡、路線価30万円/㎡)→ 減額可能額 3,000万円
  • 上記2地を保有する場合、調整計算後に最大化されるのは居住用優先のケースが多い
  • 「単価が高い宅地 × 減額割合 × 上限内に収まる面積」の組み合わせを最大化
03

実例(八尾税務署提出案件)

被相続人が複数宅地を所有し、相続人が同居していた自宅敷地を特定居住用宅地等として選択した実例です。

  • 同居要件・取得者要件を満たし80%減額が確実に取れた
  • 自宅敷地の路線価が他の宅地より高く、面積あたりの減額効果が最大化された
  • 他の宅地は事業継続・保有継続要件の充足が不確実だった
  • 33条書面の「相談に応じた事項」欄に「どの宅地を選択すべきか相談を受け、居住用宅地か事業用宅地の選択を検討し、相続人の同居していた自宅敷地を選択した」旨を記録
04

居住用を選ぶ場合の主な要件

特定居住用宅地等として80%減額を受けるための主な要件です(措置法69条の4第3項第2号)。

  • 被相続人と同居していた親族が取得した場合、申告期限まで居住継続・保有継続が必要
  • 別居親族(いわゆる「家なき子」)が取得する場合は、相続開始前3年以内に自己または配偶者・3親等内親族等が所有する家屋に居住したことがない等の要件
  • 配偶者が取得する場合は居住継続・保有継続要件は不要
05

事業用を選ぶ場合の主な要件

特定事業用宅地等として80%減額を受けるための主な要件です(措置法69条の4第3項第1号)。

  • 被相続人が事業の用に供していた宅地を親族が承継すること
  • 申告期限まで事業継続・保有継続が必要
  • 相続開始前3年以内に事業の用に供されたものは原則対象外(3年内取得除外規定)
  • 法人事業用宅地(特定同族会社事業用宅地等)の場合は、同族会社の役員要件などが追加
FLOW

当事務所の判断手順

  1. 01

    被相続人の所有宅地を全件リスト化

    公図・登記簿・固定資産税課税明細から、被相続人名義の宅地をすべて洗い出します。

  2. 02

    各宅地の用途・面積・路線価を確定

    居住用・事業用・貸付用の用途区分を整理し、面積と路線価を確定させます。

  3. 03

    取得者の要件適合性を確認

    同居・事業継続・保有継続が可能か、取得者ごとに要件適合性を精査します。

  4. 04

    複数パターンを試算

    居住用優先/事業用優先/併用など、複数パターンで納税額を試算します。

  5. 05

    最も納税額が小さくなる選択を採用

    二次相続まで見据えたうえで、最適な選択肢を採用します。

  6. 06

    税務署と事前協議

    判断が分かれる論点については、所轄税務署資産税課と事前協議します。

  7. 07

    33条書面に選択理由を明記して申告

    選択した宅地と理由、要件適合性の確認内容を税理士法第33条の2書面に明記して申告します。

FAQ

よくあるご質問

Q特定居住用宅地等と特定事業用宅地等は併用できますか?
A

併用可能です。特定居住用宅地等330㎡と特定事業用宅地等400㎡を併用すると、合計730㎡まで80%減額が受けられます。ただし貸付事業用宅地等を併用する場合は、措置法69条の4第2項の限度面積の調整計算が必要となり、単純に上限を足し合わせることはできません。

Q「家なき子」特例は今でも使えますか?
A

使えますが、改正により要件が厳格化されています。相続開始前3年以内に、自己または配偶者・3親等内親族等が所有する家屋に居住したことがないこと等が必要です。形式的に賃貸契約を結んで要件を満たしたように見せかける節税スキームは封じられました。当事務所では取得者の居住歴・住民票履歴を丁寧に確認したうえで適否を判断します。

Q配偶者が取得する場合は要件が緩いと聞きました。本当ですか?
A

本当です。配偶者が特定居住用宅地等を取得する場合は、申告期限までの居住継続・保有継続の要件は課されません。取得した時点で80%減額が確定します。一方、同居親族が取得する場合は申告期限までの居住継続・保有継続が要件となります。

Q貸付事業用宅地等の3年内取得除外規定とは?
A

相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地は、原則として貸付事業用宅地等の特例(200㎡・50%減)の対象外となります。相続税対策として駆け込みでアパートを建てるような行為を封じる規定です。ただし、3年を超えて事業的規模で貸付事業を営んでいた者の貸付事業用宅地等は除外対象外となる例外規定があります。

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