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COLUMN

相続公開7分で読める代表社員税理士 榎嶋 隆司

投資信託の相続税評価はどうする?|追加型・ETF・J-REIT・外貨建てを種類別に解説(堺市西区の事例)

投資信託の相続税評価方法を、堺市西区の相続税申告事例をもとに種類別に解説します。公募の追加型・単位型株式投資信託は課税時期の解約価額(基準価額・信託財産留保額・解約手数料を反映)、ETF・J-REITは上場株式と同様の評価、外貨建てはTTB等で円換算。財産評価基本通達196・198を根拠に、証券会社の相続税評価額証明書を活用する実務まで、大阪・堺の税理士法人が整理します。

結論

堺市西区の相続税申告事例をもとに、投資信託の相続税評価方法を種類別に整理します。投資信託は種類ごとに評価方法が異なり、公募の追加型・単位型株式投資信託は課税時期(相続開始日)に解約請求した場合の解約価額(基準価額×口数−信託財産留保額・解約手数料等)で評価します。ETF・J-REITは上場株式と同じく相続開始日の終値と当月・前月・前々月の各平均のうち最も低い価額を採用でき、外貨建てはTTB等で円換算します。財産評価基本通達196・198が根拠で、実務では証券会社発行の相続税評価額証明書の金額を申告書へ転記するのが一般的です。名称や証券会社が分かれば適用される評価方法を具体的に確認できます。

【事例】堺市西区・相続財産に複数の投資信託が含まれていたケース

堺市西区の相続税申告事例です。被相続人様の相続財産の中に、証券会社で保有されていた複数の投資信託が含まれていました。

投資信託は、預貯金のように残高がそのまま評価額になるわけではなく、種類によって相続税評価の方法が異なります。特殊なケースでは有価証券報告書や目論見書を参考にして評価を進めることもありますが、実務でよく出てくるものは種類別に整理できます。本記事では、投資信託の相続税評価の考え方を、種類別に分かりやすく解説します。

投資信託の種類別・相続税評価方法の一覧

投資信託の財産評価は、相続税・贈与税では投資信託の種類ごとに評価方法が異なります。実務上よく出てくるものを整理すると、次のとおりです。

投資信託の種類相続税評価方法
追加型株式投資信託課税時期(相続開始日)の解約請求による解約価額
単位型株式投資信託課税時期の解約価額
ETF(上場投資信託)上場株式と同様の評価
J-REIT(不動産投資信託)上場株式と同様の評価
私募投資信託解約価額や純資産価額など約款に基づく評価

以下、それぞれの評価方法を詳しく見ていきます。

1. 一般的な投資信託(公募・追加型)― 解約価額で評価

最も多いのが、公募の追加型株式投資信託です。

この場合の評価額は、相続開始日に解約した場合に受け取ることができる金額(解約価額)となります。

具体的には、次の要素を反映した金額です。

・基準価額
・保有口数
・信託財産留保額(控除される場合)
・解約手数料(ある場合)

通常は、金融機関が発行する「相続税評価額証明書」や残高証明書に評価額が記載されています。実務では、この証明書の金額を申告書へ転記するのが一般的です。

2. ETF・J-REIT ― 上場株式と同じ評価

ETF(上場投資信託)やJ-REIT(不動産投資信託)は、証券取引所に上場しているため、評価方法は上場株式と同じです。

相続税評価では、次の4つの価額のうち最も低い価額を採用できます。

・相続開始日の終値
・課税時期の属する月の毎日の終値の月平均額(当月平均)
・その前月の終値の月平均額(前月平均)
・その前々月の終値の月平均額(前々月平均)

株価が変動する時期には、この「4つのうち最も低い価額を選べる」というルールが評価額を抑えるうえで重要になります。

3. 外貨建て投資信託 ― 円換算して評価

外貨建ての投資信託であっても、評価方法自体は上記と同じ考え方です。

ただし、外貨建ての解約価額を、課税時期のTTB(対顧客電信買相場)など所定の為替レートで円換算して評価します。どの金融機関のどの時点のレートを用いるかによって評価額が変わるため、換算レートの根拠資料も保管しておきます。

根拠となる財産評価基本通達

投資信託の評価は、財産評価基本通達に定められています。実務で特に重要になるのは次の項目です。

・財産評価基本通達196(証券投資信託受益証券の評価)
・財産評価基本通達198(上場証券投資信託等の評価)

投資信託の種類(公募・私募・ETF・外国籍投資信託など)によって適用される通達・取扱いが異なるため、名称と証券会社が分かれば、適用される評価方法を具体的に確認できます。

実務で税理士が準備する資料

相続税申告で投資信託を評価する際、当事務所では通常、次の資料を取得します。

・金融機関の残高証明書
・相続税評価額証明書
・取引残高報告書
・課税時期の基準価額一覧
・解約価額が分かる資料

証券会社(SBI証券・楽天証券・野村證券など)では、相続手続きの際に相続税評価額証明書を発行してもらえることが多く、実務ではその証明書の金額を申告書へ転記するケースが一般的です。

まとめ ― 種類の確認が正確な評価の第一歩

本記事のポイントを整理します。

・投資信託は種類ごとに相続税評価の方法が異なる
・公募の追加型・単位型株式投資信託は、課税時期の解約価額(基準価額・信託財産留保額・解約手数料を反映)で評価
・ETF・J-REITは上場株式と同様に、終値・当月/前月/前々月平均のうち最も低い価額を採用できる
・外貨建てはTTB等で円換算して評価
・根拠は財産評価基本通達196・198
・実務では証券会社の相続税評価額証明書を活用するのが一般的

投資信託の相続税評価は、種類(公募・私募・ETF・外国籍投資信託など)によって細かな取扱いが異なります。「残高がそのまま評価額になる」と誤解して申告すると、過大・過少どちらの評価にもつながりかねません。投資信託の名称や証券会社が分かれば、適用される評価方法を具体的に確認できますので、投資信託を含む相続税申告は専門家にご相談ください。当事務所では堺市西区をはじめ堺市・大阪市・近隣エリアで、有価証券の評価を含む相続税申告のご相談を承っております。

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